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判例・実務情報

【欧州、商標】 欧州共同体商標に関する商標指令及び共同体商標規則の改正(2016年3月23日発効)



Date.2016年4月4日


 欧州共同体商標に関する商標指令及び共同体商標規則により、2016323から、EUの商標制度が以下の様に改正されました。

 

1.  名称変更

 

旧名称

新名称

 The Office for Harmonization in the  Internal Market (OHIM)

 欧州共同体商標意匠庁

 European Union Intellectual Property Office (EUIPO)

 欧州連合知的財産庁

 Community Trade Marks (CTM)

 欧州共同体商標

 European Union Trade MarkEUTM

 欧州連合商標

 Community Trademark RegulationCTMR

 欧州共同体商標規則

 European Union Trade Mark RegulationEUTMR

 欧州連合(EU)商標規則

 

 

2.  特許庁費用

 

(1) 出願時

区分数

旧料金

新料金

1

EUR 900

EUR 850

2

EUR 900

3

EUR 1050

4以上

EUR 900EUR 150/区分

EUR 1050+EUR 150/区分

 

(2) 更新時

区分数

旧料金

新料金

1

EUR 1350

EUR 850

2

EUR 900

3

EUR 1050

4以上

EUR 1350EUR 400/区分

EUR 1050+EUR 150/区分

 

(3) その他

 

旧料金

新料金

異議申立

EUR 350

EUR 320

取消審判

EUR 700

EUR 630

不服審判

EUR 800

EUR 720

 

 

3.  商標の定義の変更(4条、7条)

 

(1) 商標の定義規定において、“represented graphically(視覚的に表示されること)が削除されると共に、“colours”及び“sounds”が追加されました。

 これにより、色、音、動き、ホログラム、香りの商標登録が可能になります。

 

(2) 尚、商品の性質や機能から不可避のもの等については登録されるべきではない旨の規定が追加されています。

 

4.  証明商標制度の導入(74a条、154a条)

 

(1) 原産地表示を除き、材料、商品の製造方法やサービスの利用、質、精度その他の特徴について証明された商品又はサービスを、そのような証明のない商品又はサービスと識別する機能を有する標章は、証明商標として登録可能になります。

 

5.  指定商品・役務の記載に関する変更(28条)

 

(1) 出願において、クラスヘディングを指定商品・役務とする場合にも、願書に記載された文言通りに解釈されることになります。

 

(2) 2012 6 22 日以前に出願されたCTM登録であって、クラスヘディングが指定商品又は役務として記載されているものについては、アルフェベット順の一覧表(出願時)に記載されている各商品・役務に補正することができる。

 また、補正は、新規則施行後6ヶ月以内(すなわち、2016 9 23 日)に、宣誓書の提出が必要です。

 

6.  優先権主張(30条)

 

(1) 従来は、出願後の優先権主張が可能でしたが、改正により、優先権主張は出願と同時にすることが必要になりました。また、優先権証明書は出願日から3ヶ月以内に提出することが必要になりました。

 

7.  サーチレポートの運用変更(38条)

 

(1) サーチレポートは、出願人が所定のサーチレポート費用を納付し、希望した場合にのみ送付されることになります。

 

(2) サーチレポート費用は出願時に納付することになります。

 

8.  異議申立期間の実質的変更(156条)

 

(1) 異議申立期間は、起算日から3ヶ月以内であり変更はありませんが、起算日が変更となっています。従来は、公告日から6ヶ月の日から記載していましたが、改正後は、公告日から1ヶ月の日から起算することになります。

 その結果、異議申立期間は実質的には、9ヶ月から4ヶ月に短縮されることになります。

 

9.  異議申立及び無効審判における使用証拠の提出に関する変更(42条、57条)

 

(1) 先行商標登録に基づく登録異議申立がなされた場合、出願人は異議申立人に対し、その根拠となる先行商標登録が後願の公告日から5年を経過している場合には、指定商品・役務への使用の立証を求めることができますが、改正後は5年の起算日が後願の出願日又は優先日に変更されます。

 

10.  商標権の効力に関する規定の変更(9条、9a条、12条、13a条)

 

(1) 商号の使用の抗弁の制限(93(d)

 旧規則では、商標権者は第三者が取引の過程で標章を個人名又は住所、商号として使用することを禁じることはできませんでした。しかし、今回の改正では、「商号」が削除されたことから、自己の会社名又は商号(一部を含む)としての使用であっても、商標権の侵害になり得るとされました。

 

(2) 包装、ラベル、タグ、安全な又は信頼できる構造物又は装置に商標を付す行為が、商標権の侵害になることが追加されました(9a条)。

 

(3) 商標権の効力の制限(121(c)

 第三者による登録商標の使用が商標権者の商品・役務を識別する目的である場合、その使用が、産業的又は商業的事項における誠実な行為に基づくものであるときは、商標権の侵害とならないとされています。

 

(4) 後願登録権者の使用に対する権利行使の制限(13a条)

 先願登録権者は、後願登録権者の登録を取り消さない限り、その使用を制限できないことが明記されました。

 

(参照元)

EUIPO “EU Trade Mark Regulation

    “Chang of name of the Office – EUIPO

    “Fees

    “Technical changes