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お知らせ

欧州特許庁 EPC規則改正について

Date.2010年12月17日


 優先権主張を伴うEPC出願の出願人に、優先権主張の基礎出願のサーチ結果をEPOに提出することを要求する規則(改正規則141,新規則70b)が、2011年1月1日から施行される。 

 

  EPOから2010/7/28付けで発表された通り、改正規則141および新規則70bが2011年1月1日から施行される。 主な改正点は下記の通りである。

 

   1.サーチ結果の提出義務(改正規則141(1))

 優先権主張を伴うEPC出願(分割出願を含む)の出願人は、基礎出願がなされた国で作成されたサーチ結果のコピーを提出しなければならない。

 サーチ結果には、サーチレポート、先行技術文献リスト、審査官レポートの関連部分などが含まれる。出願人により作成された先行技術文献リストなどは、不可。

 サーチ結果は、EPOの公用語で作成されていなくても、その翻訳は不要である。また、サーチ結果に引用されている先行技術文献のコピーの提出も不要である。

 提出時期は、EPC出願の出願時、又はEuro-PCT出願の場合は欧州段階への移行時である。但し、これらの時点で、出願人がサーチ結果を得ていない場合は、その後遅滞なく提出することで足りる。

 分割出願のサーチ結果の提出については、すでに親出願でサーチ結果が提出されている場合は、不要である。

 

  2.サーチ結果の提出の見なし規定(改正規則141(2))

  欧州特許庁長官が定める条件により、サーチ結果がEPOにより入手可能な場合には、出願人がサーチ結果を提出していなくても、提出されたものとみなす。

 

  3.その他の先行技術の提出の要求(EPC規則141(3))

 EPOは、EPC出願の出願人に対し、2ヶ月の期間内に、当該EPC出願に関係する発明について各国の審査手続において考慮された先行技術に関する情報の提供を求めることがある。

 

 4.サーチ結果の提出の要求(新規則70b)

 改正規則141(1)下でのサーチ結果が出願人により提出されておらず、かつ、改正規則141(2)により提出されたものとみなされない場合、EPOは、出願人に対し、2ヶ月以内のサーチ結果の提出、又はサーチ結果を入手できない旨の書面の提出を要求する(新規則70b(1))。出願人が応答しない場合、EPC出願は取下擬制される(新規則70b(2))。

 分割出願に対しては、自動的に新規則70b(1)の通知がなされるが、出願人が親出願においてサーチ結果を提出している場合には、出願人はこの通知に応答する必要はない。

 

 5.適用時期

 2011年1月1日以降の優先権主張を伴うEPC出願、および2011年1月1日以降に行われるEPCの分割出願に適用される。また、欧州段階に移行されるPCT出願の場合、国際出願日が2011年1月1日以降である出願に適用される。 

 

(関連情報) http://www.epo.org/patents/law/legal-texts/journal/informationEPO/archive/20100803.html