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お知らせ

平成24年度改正著作権法が公布されました。

Date.2012年7月12日


 「著作権法の一部を改正する法律」が,平成24620日、国会で成立し,627日公布されました。この改正著作権法の施行日は、平成2511からとなっています。


 

1.改正の概要

 

1)いわゆる「写り込み」(付随対象著作物の利用)等に係る規定

 

 著作権者の利益を不当に害しないような著作物等の利用であっても形式的に違法となるものについては,著作権等の侵害とならないことが明確化されました。具体的には、以下の通りです。

 

[1] 付随対象著作物の利用(30条の2

 付随対象著作物*複製又は翻案することが可能になりました(1項)

 

*付随対象著作物

 写真の撮影等の方法によって著作物を創作するに当たって,当該著作物(写真等著作物)に係る撮影等の対象とする事物等から分離することが困難なために、付随して対象となる事物等に係る他の著作物

 

 また,複製又は翻案された付随対象著作物は,写真等著作物の利用に伴って利用することが可能になりました(2項)。

 

[2] 検討の過程における利用(30条の3

 著作権者の許諾,又は裁定を受けて著作物を利用しようとする者は,これらの利用についての検討過程における利用に供することを目的とする場合には,その必要と認められる限度において,利用することが可能になりました。

 

[3] 技術の開発又は実用化のための試験の用に供するための利用(30条の4

 公表された著作物を,著作物の録音・録画等の技術の開発又は実用化のための試験の用に供する場合,その必要と認められる限度において,利用することが可能になりました。

 

[4] 情報通信技術を利用した情報提供の準備に必要な情報処理のための利用(47条の9

 著作物を,情報通信の技術を利用する方法により情報を提供する場合であって,当該提供を円滑かつ効率的に行うための準備に必要な電子計算機による情報処理を行うときは,その必要と認められる限度において,記録媒体への記録又は翻案が可能になりました。

 

2)国立国会図書館による図書館資料の自動公衆送信等に係る規定(313項)


 国立国会図書館は,絶版その他これに準ずる理由により一般に入手することが困難な図書館資料について,図書館等において公衆に提示することを目的とする場合には,記録媒体に記録された著作物の複製物を用いて自動公衆送信を行うことが可能になりました。

 

 また、当該図書館等においては,その営利を目的としない事業として,当該図書館等の利用者の求めに応じ,その調査研究の用に供するために,自動公衆送信される当該著作物の一部分の複製物を作成し,当該複製物を一人につき一部提供することが可能になりました。

 

3)公文書等の管理に関する法律等に基づく利用に係る規定


[1]
 永久保存のための規定の整備(42条の31項)

 国立公文書館等の長又は地方公文書館等の長は,公文書管理法151項の規定又は公文書管理条例の規定により歴史公文書等を永久保存することを目的とする場合には,必要と認められる限度において,当該歴史公文書等を複製することが可能になりました。

 

[2] 利用請求に係る規定(42条の32項)

 国立公文書館等の長等は,公文書管理法161項の規定又は公文書管理条例の規定により著作物を公衆に提供し,又は提示することを目的とする場合には,必要と認められる限度において,当該著作物を利用すること(例えば,写しの交付等)が可能になりました。

 

[3] 著作者人格権に係る規定(183項等)

 183項において,著作者が行政機関等に提供した未公表著作物に係る歴史公文書等が「国立公文書館等」等に移管された場合,又は著作者が未公表著作物を国立公文書館等に提供した場合には,国立公文書館等の長等が,当該著作物を公衆に提供し,又は提示することについて著作者は同意したものとみなすこととされました。

 

 また,同条4項において,国立公文書館等の長等が,一定の情報に係る未公表著作物を,公文書管理法等の規定により公衆に提供し,又は提示するときは,著作者の公表権が及ばないとされました。

 

 さらに、1943号及び90条の243号において,国立公文書館等の長等が,著作物又は実演を公衆に提供し,又は提示する場合において,当該著作物又は実演につき既にその著作者又は実演家が表示しているところに従って著作者名又は実演家名を表示するときは,著作者又は実演家の氏名表示権が及ばないとされました。

 

4)著作権等の技術的保護手段に係る規定(2120号等)


 技術的保護手段の対象に,著作物等の利用に用いられる機器が特定の変換を必要とするよう著作物,実演,レコード又は放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像を変換して記録媒体に記録し,又は送信する方式(暗号方式)が加えられました。

 

 また,3012号の技術的保護手段の回避に係る定義に,特定の変換を必要するよう変換された著作物,実演,レコード又は放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像の復元が加えられました。

 これにより、私的使用目的であっても,暗号方式による技術的保護手段の回避により可能となった複製を,その事実を知りながら行う場合には,民事上違法になるとされました。

 

 120条の21号において,暗号方式による技術的保護手段の回避を可能とする装置又はプログラムの譲渡等を行った者は,3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金,又はこれを併科することとされました。

 

5)違法ダウンロードの刑事罰化に係る規定の整備

 

[1] 違法ダウンロードの刑事罰化(1193項)

 私的使用の目的をもって,有償著作物等*の著作権又は著作隣接権を侵害する自動公衆送信を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を,自らその事実を知りながら行って著作権又は著作隣接権を侵害した場合2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金,又はこれを併科することとされました。

 

*「有償著作物等」

 録音され,又は録画された著作物,実演,レコード又は放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像であって,有償で公衆に提供され,又は提示されているもの(その提供又は提示が著作権又は著作隣接権を侵害しないものに限る。)。

*「その事実」

 「有償著作物等」であること及び「著作権又は著作隣接権を侵害する自動公衆送信」であることを指し,「その事実を知りながら」という要件を満たさない場合には,著作権又は著作隣接権の侵害に問われないとされています。

 なお,1193項は親告罪とされています。

 

[2] その他

 国及び地方公共団体は,違法ダウンロードにより著作権又は著作隣接権を侵害する行為の防止に関する啓発等の措置を講じなければならないとされました(附則7条)

 

 有償著作物等を公衆に提供し,又は提示する事業者は,違法ダウンロードを行うことにより著作権又は著作隣接権を侵害する行為を防止するための措置を講じるよう努めなければならないとされました(附則8条)。

 

 1193項の規定の運用に当たっては,インターネットによる情報の収集その他のインターネットを利用して行う行為が不当に制限されることのないよう配慮しなければならないこととされました(附則9条)。

 


(参照元) http://www.bunka.go.jp/chosakuken/24_houkaisei.html