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判例・実務情報

【外国、特許】 外国への特許出願(パリルート出願とPCTルート出願の比較)



Date.2012年4月16日


 海外で特許を取得する方法としては、パリルートによる出願とPCTルートによる出願が挙げられます。

 

 

■パリルート

 パリルートによる出願とは、パリ条約に基づき外国出願をすることを意味します。具体的には、特許を取得したいそれぞれの国に個別に出願をする方法です。

 

 基本的には、それぞれの国の言語で、それぞれの国の法律で定められた形式により出願書類を作成する必要があります。

 

 すでに日本で特許出願を済ませており、かつ、その出願の日から1年を経過していない場合には、優先権を主張することができます。

 優先権を主張すると、各国での審査における新規性・進歩性等の特許性の判断は、実際の外国出願の出願日ではなく、基礎出願の出願日が基準となり、有利な審査が受けられます。


 

 

■PCTルート

 PCTルートによる出願(国際出願)とは、特許協力条約に基づき外国出願をすることを意味します。

 

 国際出願の場合は、特許を取得したいそれぞれの国に、個別に出願するといった手間を省くことができます。

 具体的には、例えば、日本の特許庁に1つの言語1つの国際出願をすることにより、他の指定国にも出願したのと同様の効果が生じます。

 但し、指定国はPCT加盟国に限られます(現在のところ台湾等はPCTに加盟していません)。

 

 PCT出願をすると、指定国の全てについて、国際出願日に出願されたものとみなされます。

 

 また、日本にすでに出願をしており、かつ、その出願の日から1年を経過していない場合には、その出願を基礎として、優先権を主張することもできます。

 この場合、各国での審査における新規性・進歩性等の特許性の判断は、国際出願日ではなく、基礎出願の出願日が基準となり、審査が有利になります。

 

 PCT出願では、国際調査機関による国際調査報告が通知されます。この国際調査報告では、国際出願の内容が新規性・進歩性を有するのか見解が示されています。

 従って、出願人は、各国での審査を受ける前に、国際出願の特許性の有無を確認することができます。

 

 但し、特許性についての最終的な判断は各国毎に委ねられていますので、国際調査報告の見解と異なる審査結果が出されることがあります。

 

 PCT出願後、その出願日(優先権主張の場合は、基礎出願の出願日)から30ヶ月(または31ヶ月)以内に、各国特許庁に移行させる必要があります。

 移行手続きに於いては、各国で定められた言語の翻訳文を提出する必要があります。移行後、各国での審査が開始されます。

 

■パリルート及びPCTルートのそれぞれのメリット

 

パリルート

PCTルート

権利化したい国が少ない場合はPCT出願よりも経済的

 

権利化までの期間が短い

 各国に直接出願するため、早期に審査が開始されます。

 

各国の事情に応じて、出願内容を変更できる

 特許性の判断基準は各国毎に異なる場合があります。

 

台湾などPCT加盟国以外にも出願が可能

簡便な手続

 日本の特許庁に日本語で出願するだけで、指定国の全てに出願したのと同様の効果が得られます。

 

翻訳期間の確保

 各国への移行期限が、優先日から30or31ヶ月以内であるため、翻訳期間を確保できます。

 

130ヶ国以上の加盟国において、権利取得の決定を留保可能

 各国への移行期限まで、権利化するか否かの決定を留保することができます。

 

国際調査報告等の利用

 各国への移行前に特許性の有無が確認できます。

 

 

■費用

 

パリルート

PCTルート

各国出願時

 ①各国の庁費用

  出願手数料

 ②代理人費用

 ③現地代理人費用

 ④翻訳代

国際出願時

 ①庁費用

  国際出願料、調査手数料、送付手数料

 ②代理人費用

 

国際調査報告

 ①19条補正等をする場合、代理人費用

 

国際予備審査請求(任意)

 ①庁費用

 ②代理人費用

 

各国移行時

 ①庁費用

 ②代理人費用

 ③現地代理人費用

 ④翻訳代

 

 
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