大阪の国際特許事務所。化学・機械分野の特許・商標の出願、申請は大阪の弁理士法人ＯＭＮＩ国際特許事務所

　2015年4月1日から、日本国特許庁（JPO）が受理官庁又は指定官庁（選択官庁）であるPCT国際出願において、優先期間内に国際出願を提出できなかった場合でも一定の要件を満たすときには、優先権の回復が図れるようになりました。

１．優先権の回復のための要件

(1)　基準

　優先権の回復のための基準としては、「故意ではない」基準、又はそれより厳格な「相当な注意」基準がありますが、JPOは「相当な注意」基準を採用しています。

(2)　JPOが受理官庁の場合

(a)国際出願日が優先期間満了の日の後であるが、当該満了の日から2月以内であること（PCT規則26の2.3(a)）。

(b)先の出願に関する優先権主張が国際出願においてされている、又は優先期間満了の日から2月（PCT規則26の2.3(e)）

(c)優先権の回復請求及び優先期間内に国際出願がされなかった理由のいずれもが、PCT規則26の2.3(e)に規定される期間内に提出されていること

(d)当該理由を裏付ける証拠の提出

(3)　JPOが指定官庁の場合

　JPOは、受理官庁としての他の官庁が下した決定を受け入れることになります。

２．対象

　2015年4月1日以降のPCT国際出願